明日も暮らす。

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シンプルで暮らしやすい生活を目指しています。オンライン英会話(英検1級)と空手(黒帯)が趣味。大学院博士課程修了(人文科学)。2児の母。

専業主婦であることに後押しをくれた本。得られる成長は、きっとたくさんある。

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おはようございます!梅つま子です。

今日は、最近読んだ本のご紹介です。

 

先日、心が奮い立つ本を読みました。

まだ2018年は始まったばかりだけど、間違いなく、今年読んでよかった本ベスト3には入りそう。

もしかしたら、トップかも…?

 

薄井 シンシア KADOKAWA 2017-07-06
売り上げランキング : 5227
by ヨメレバ

 

この本のことは、あの「伝説の魔法使い」で有名な、「いっぱいかあさん」のかねもとのむくうさんのところで知りました。

www.ippaikaasan.com

↑かねもとさんの、とっても「読みたい気持ち」にさせるレビューです!

 

実は…白状しますと。

図書館で借りて済ますつもりだったのですが、ページをめくるたび、がつんがつんと衝撃を受けすぎました。

その結果、「こりゃ、少なくとも数年間は手元に置かなきゃだめだな」と思って、購入することにしました!!

 

薄井シンシアさんという方と、「専業主婦」

薄井シンシアさんという方は、フィリピンの出身で、日本語母語話者じゃないんだけど、この方の文章がまた、リズムと覇気があって、素晴らしいんだな…。

背筋の伸びた、素敵な女性としての先輩。

そんな方の講演を聴いてるような臨場感で、ぐいぐい読んじゃいました。

 

全編を通して、経験からくる知恵と、おそらくこの方の元から持ってる勇気と根性と、非常にさばけて合理的な考え方がちりばめられていました。

その結果、借りた本ながら、読み終わったときには付箋まみれになってしまったのでした(もちろん付箋はきれいに取り去って返却しますよ!)。

 

薄井シンシアさんは、フィリピンで日本への国費留学生(おそらく超難関)として選ばれていることから推して知るべし、の頭の良さと、努力を続けられてきた方で。

出産後、専業主婦をキャリアにすると決め(p.51)、実際、一人娘のお嬢さんを育て上げるまで専業主婦一筋だった方。

 

そんな彼女をもってしても、就職先探しには相当、苦戦されたそうで、最初からうまく就職口が見つかったわけではなく。

再就職に当たって専業主婦に高い壁が立ちはだかることについては、「社会も悪いが、専業主婦も悪い」と言い切っていて(p.196)、別にこの本は「専業主婦万歳」の本ではありません。

 

専業主婦を天職だと思っている方も、望まずに専業主婦をやっている方も、ワーキングマザーでいらっしゃる方にも、本書は「専業主婦」のあり方を見直すきっかけになるのではないかなと思います。

 

面白いと思った、薄井シンシアさんの考え方3つ

本書の中に、「目からうろこ」はたくさんありまして。

全部を紹介したいのですが、書き切れないので、3つにしぼりました。

 

1.「時間」を節約するために、エコバックを20年前から持ち歩いてた

→お金がもったいない、というよりは、袋をもらって始末する「手間」が惜しかったため(p.72)

 

2.PTAで、前任者に渡されたダンボール3箱分の資料、最新のものだけ残して捨てた

→「いいのよ、PTAはしょせんボランティアなのだから」。メンバーが新しくなれば、新しいやり方でやればいい。(p.107)

 

3.「なぜ子育ては母親を育てるのだろうか?」に対する答え

→「母親はやめられないから」。「このやり方でだめなら次のやり方で、と。その繰り返しが、知らず知らずのうちに母親を育てる。胆力をつけ、問題を解決する『あの手この手』の力を備えさせる。私は今、この専業主婦時代に身につけた『あの手この手』を使って仕事をしている。」(p.173-175)

 

私が本書から受け取ったこと

この本のタイトル『専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと』からは、専業主婦が専業主婦であることを抜け出し、就職するための道筋を促す本を想像します。

そして実際、それもそうなのですが、私がより強く受け取ったメッセージは、「専業主婦は、(少なくとも育児中は)時間と労力をささげる価値のある仕事だよ」ということでした。

 

薄井シンシアさんは、「専業主婦という仕事は、マルチタスクでクリエーティブである。それが実際、仕事に生きる」(p.6)と書かれています。

それを言えるのは、専業主婦としての家事育児を、全力でやりきった薄井シンシアさんだからこそ言えるメッセージだと思いました。

 

ともかくも、こんなメッセージを受け取るのははじめて。

専業主婦は「損」だの「もったいない」だの言われて、自分自身も、そうだよねえ、そうだよなあ…と思っていた身としては、めっちゃいい感じに「がんばれっ」とおしり(じゃなくても、背中でもいいんですが)を「ばんっ!」って小気味よくたたかれたような気がします。

 

私が自分でもできそう、と思ったこと 3つ

せっかくこんなにいい本を読んだのだから、自分の考え方や生活に取り入れないともったいない!と思いました。

自分もやりたい、できるかな?と思ったのは、以下の3つです。

 

1.基本を大事にしよう

料理でも炊事でも、最初は基本の本を買って、ひとつのプロセスも逃さず叩き込んだという薄井シンシアさん。

見習おうと思いました。

私、料理については特に、「時短」「節約」という言葉に惑わされすぎた気がします。

基礎もしっかりしていないのに、一足飛びに、応用をしようと思ってたみたいで。

「慣れ」だなんて、おこがましかったな。

「慣れ」よりも、私に必要なのは「意志」だった。

というのは、「意志」の力の意味というものが、次の「自分プロジェクト」からも、いや、本書全体からオーラのように立ち込めていました。

 

2.自分プロジェクトをはじめよう、つづけよう

ゴールのあるプロジェクトを企画して実行する、ということを薄井シンシアさんはやっていて、たとえばクリスマスに飾るパッチワークのタペストリー(カーペットくらいの大きさ!)を作ったそうです。

毎冬、このタペストリーを飾って過ごす家族の時間が一年一年積み重なって、我が家の人生の習慣のようなものができていく。いつかこれを娘が形見として引き継いだとき、その時々の家族の記憶を鮮やかに思い出せる、そんなタペストリーを作りたい(p.126)

完成したタペストリーが、すっごい素敵なのでぜひ本書をお手に取っていただきたいです。p.127に、出来上がったタペストリーの写真が載ってます。

でもなんだかほっこりするエピソードだわと思ったのが、なんと薄井シンシアさん、ミシンが使えなくて、はぎ合わせはお母様にやっていただいたとか。達人にも弱点が。パーフェクトなんだけどパーフェクトじゃないところがまた好感が…。

 

ものすごく僭越なことをいうと、私がブログを続けているのも、自分プロジェクトのようなものなのかも。

私、自分の中でプロジェクトを立ち上げて実行するの、たぶん、嫌いじゃないタイプです。

これからはもっと意識的に、たとえば料理とか収納とかを、「これは自分プロジェクト」としてやっていこう。

そのときに「ゴール」を決めるのが大事なんだな。

私、決めずにゆるっと取り掛かるから…。きりっと始めてきりっと終わるプロジェクトがやってみたい!やってみよう!

 

3.自分に自分を評価させよう

専業主婦といえば、他者から評価されない。

他者から評価されないといえば、専業主婦。

 

仕事をやめて何を焦がれるかといえば、評価。

もちろん手痛い評価も受けることはあるけど、評価されて弱点を知りたいし、よくできたところがあったなら正当にほめていただきたい、そして成長したい!という希望が私にもあります。

 

「他人のチェックが入らない家事や子育てで、どうやって評価を得て、自信をつければいいというのだろうか?」(p.119)というのは、薄井シンシアさんもぶつかった壁。

家族の反応や、家族のパフォーマンスが専業主婦への評価…と考えてしまいがちだけど、薄井シンシアさんは、「家族の感謝というのは一つの愛情表現で、それは評価を超えたところにある」(p.119)とシビアです。

また、子どもの実績を母親の実績にすり替えることは「娘の成績を自分の成果とみなすのは、娘の人生を自分の人生にすり替えてしまうようなものだ。それはどうしても嫌だった」(p.119-120)と述べています。

この、自分に対する、甘えることなき厳しいまなざしよ。

 

で、評価を他者から得られないことをどうするか、に対する薄井さんの答えはこれです。

 

「苦手なこと、嫌なことを徹底的にやること」によって得られる自分自身への深い自己信頼感

カッコいい…!

 

「他人に評価されて安心するより、自己信頼感のほうがはるかに強い支柱になる」…。

実際、大嫌いな運動するためのジム通いをここ5年破ったことがないそうで。

強靭な意志です。

 

なぜ私は、働きたいのか?

そんな強靭な意志の薄井シンシアさんは、「仕事とは趣味でもなければ、暇つぶしでもない。自分を労働力として売ることである」(p.145)と述べていて、彼女がどうして働きたいかというと「自分のほしい洋服や口紅くらい、自分で稼いだお金で買いたい」(p.147)からだと。

この矜持よ!!

 

この点に関しては、私は「私もー!」とは思わなかったのですが、「じゃあ私は働きたいのか?そうだとしたら、何で働きたいんだろう?」と考えるきっかけになりました。

 

これについての私の今の時点での答えは、シンプルに言えば、成長したいから。

そして気恥ずかしいけど、社会に貢献できると思うから。

「人は家庭から一歩出た社会的生活の中でのほうが得やすい学びがある」だろうと思うし、私は、私を育ててくれた社会に何かを返したいです。

そのために、自分の立場を得て、その立場で人と接することで、成長も貢献もできるはずだ、と希望を持ってるんです。

 

 

専業主婦であることは、自分の希望の道への一時停止を食らってるような気すらしてたけど、実は一時停止でも、遠回りでもないのかも。

この生活を通して、蓄えられる力はきっと大きい。

 

再就職するにしてもしないにしても、今の専業主婦という仕事は、もっとクリエイティブにやれるはず。

自分にも伸びしろが、きっとありそう。この先就職するかもしれないけど、もっと専業主婦としての自分を突き詰めてみたい、がんばりたい。

 

と思えた本の紹介でした。

 

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