おはようございます。
梅つま子です。
新年2日目。
今日は、読書記録です。
はじめに
実は、なんとなく、気づいてはいました。
私、いつも意識が「今、ここ」にない…。
いつも、「今、ここ」以外のことを考えているといっても過言ではありません。
幼稚園の行き帰りでは「ご飯どうしよっかな~」と考えているし、
公園では「あー、図書館に行きたいな…」と思っているし、
ご飯を食べているときは、ブログ書きたくて、気持ちがうずうず。
「今、ここ」に意識を集中する練習、というタイトルが目に留まって、「はっ、これは私に必要なことかも!」と思い、読んでみました。
ジャン・チョーズン・ベイズ 日本実業出版社 2016-07-28 売り上げランキング : 10213
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ちなみに著者のジャン・チョーズン・ベイズさんは、オレゴン州の小児科医・瞑想講師の方だそうです。
マインドフルネスって何?
穏やかな印象の優しい表紙に、小さく、副題が書いてあり、
心を強く、やわらかくする「マインドフルネス」入門
とあります。
正直なところ、本のタイトルと、副題が逆だったら借りなかったかもしれません。
マインドフルネスってなにそれ、なんか怪しいやつだっけ…
との思いがよぎったワタシ。
序文で図星さされました。
(強調は梅つま子によるものです。以下同様)
「マインドフルネス」という言葉を聞いて、多少なりとも「アヤしい」と思った人はいるだろうか?
医学の研究者の1人として即答するが、それは大きな誤解である。
マインドフルネスは、マサチューセッツ大学医学大学院教授のジョン・カバット・ジンが開発した、禅から思想などの宗教色を分離した「マインドフルネスストレス低減法」という科学的な研究によるメソッドがベースになっている。
いわば、テクニックに近い。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.1)
この序文は石川善樹さんという予防医学の研究者の方が書いたもの。
怪しいものではなく、科学的研究がベースとなっているもので、テクニックに近いものなのだそうです。
テクニックなのだとしたら、自分に合ったものであれば、身に着ければ生活に役立つはず。
石川さんは続けます。
マインドフルネスに取り組むようになって、注意の向け方が変わり、これまで無意識にやり過ごしていたことに気づくようにやった。
自分にとって「何が満足」で「何をしたら一日を満足して終えられるか」に意識が向き、それがわかると自分の満足の置き方が変わった。
「今日、何をできたか」ということが喜びになった。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.3)
わー、その変化は私もほしい。
私、いつ何をしていても、心はどこか違うところにあって、「満足!」という感じとは程遠いなと思うことがあります。
何かいつも、もの足りないような感じがしてる。
そういう気持ちと向き合わせてくれる本かな、と思って読み進めました。
実際に本文にも、
マインドフルネスのツールは、生活の中のさまざまなちょっとした行動に意識を向けることです。
現代生活の煩わしさのなかで、精神生活を充実させたいと思う人たちには特に役に立つことと思います。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.31)
とありました。
そう、私は「精神生活を充実させたい」んです!
マインドフルネスの理解
「今、ここにいない病」のワタシ。
ギクリ、グサリ、と思う文章にたくさん出会いました。
体が何か1つのことをしているときに、意識がどこか遠くに行ってしまっている時間が多いというのは、寂しいことだと言わざるを得ません。
自分がそこに存在しないという状況で、人生の大半を生きていくからです。
こういう状態だと、常に漠然と満たされない気持ちになります。
それは、身の周りのモノや人と、自分との間に「満たされない溝」のようなものを感じるからで、幸せな人生を送ることの妨げとなります。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.16)
ああ。やっぱりそうなのか。
私はマルチタスク が好きなタイプの人間だけど、やればやるほど満たされない感じが残っていました。
それって、ひとつのことにきちんと取り組まないままに複数のことを同時進行させているからで、結局、意識が、今やっているどのことにもなく、遠くに行ってしまってたのかもしれない。。。
育児をしている今、「自分がそこに存在しない」状態だというのは、相当に危機的なことだと思いました。
幼い子どもが、親との関係をしっかり結ぶのは、「今」なのに、今しかないのに。
その親の心が、今ここにないなんて…悲しい。貧しい…。
心は「今、ここ」からチェックアウトしているとき、次の3カ所のどこかに行っています。
「過去」「未来」「空想の世界」です。
これらの3つの場所には、現実が存在しません。
現実は今いるこの場所にあり、みなさんが本当に生きているのは「今」という時間だけです。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.20)
「過去」!「未来」!「空想の世界」!ああ、納得です。
私の心のお出かけ先…
心当たり、ありすぎる。
「過去」のことを考える不毛さ
人間にだけ与えられた「過去を思い出す能力」は、特別の恩恵です。この能力のおかげで、私たちは過ちから学び、不健全な生き方を軌道修正できます。
しかし、意識が過去に戻っていくと、自分の過ちについて、くよくよ思い悩み始めてしまうのも事実です。
みなさんは、不快だとわかっているDVDをわざわざお金を出して借りてきて、数え切れないほど何度も見たりしませんよね。
それなのに頭の中では、同じ不愉快な思い出を何度も何度も上映して、そのたびに苦痛と屈辱を味わうのです。
子どもが何かささいな悪さをしたときに、何十回も繰り返し叱ったりしませんよね。
それなのに、かわいそうな自分に対しては、過去の出来事を何度も持ち出し、怒りをぶつけて辱めるのです。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.20-21)
確かに…過去のことを思い出しているときって、ろくなことがない!!!!!
「うぅああああああーーーー!!何であんなこと言っちゃったんだろーっ!!」
って、20歳のときのあの事件を私、今まで何回、心のなかの再現ビデオで流したんだろう。
何の事件かはご想像にお任せください!!若気の至りです、いやああーーー
本当に、もう、許してあげたい…。
もうやめてあげて。
あの子、ライフゼロよ。
あの子、あなたよって自分に言いたい…。
「過去を思い出して後悔に浸っていると、現在のことがおろそかになる(p.21)」んだそうで…。
デスヨネ…。
思い出さないようにするためには…ちゃんと、心、思考を、「今ここ」に置いておくことなのかな。
私の「脳内はずかし再現ビデオ病」。
ようやくちゃんと向き合うきっかけをもらえたかもしれません。
未来のことを考える不毛さ
過去のことを考えるのも不毛なんだけど、未来のことも、やっぱりそうみたいで。
「未来のために計画を立てる能力もまた、人間の脳だけに与えられた特別の恩恵です(p.21)」とした上で、本書ではこう述べられています。
頭が不安でいっぱいになっている人は、未来に関してありとあらゆる悪いことを考えて計画を立てようとします。当然ながら、そのほとんどは実際に起こらないことです。
そんなふうに、しょっちゅう未来にジャンプすることは、頭と心のエネルギーの無駄づかいです。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.22)
人生設計に関することなんかは、もちろん未来のこと。
それは、大人として考えざるを得ないというか、ちゃんと考えたほうがいいんだと思います。
でも、不安モードのままでいろいろ考えるのは確かに「頭と心のエネルギーの無駄づかい」なのかも。
私の場合、第1子を出産した後の育休中の気持ちがまさにそうでした。
今、職場では何が起こっているの?
復職したら私はどんな仕事をさせられるの?
保育園に預けられるの?
そもそも、復職できるの…?
そんな不毛なことを、私は考えてばっかり!!
せっかくの育休、少しも楽しめなかった。
赤ちゃんだった娘の顔でも眺めて、「いいな~、かわいいな~☆」ってだけ、思ってりゃよかったのに…。
でも、そのときの自分には、それしかできなかったんだよね…;;
空想もやっぱりダメらしい
人間の脳の持つ空想力は素晴らしいもので、それが創造性の土台になります。画期的な発明、新しいスタイルの美術や音楽、新たな科学的仮説、これまでにない建築を頭に思い浮かべられるのも、人生の新たな一幕を計画できるのも、この能力の働きです。
ただ残念なことに、この想像する能力が逃げ道として使われることがあります。
現在の状況の不快さ、何が起こるのかわからない不安、次の瞬間(1時間後、1日後、1年後)に悪いこと(死など)が起きるかもしれないという恐怖、などからの逃げ道です。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.22-23)
空想も、いい使い方と、悪い使い方があるってことなのでしょうか。
私、ショッピング系の空想、超得意技なんですけど…!!
ひえー。過去も未来も空想もダメ。
ちゃんと「今、ここ」に向かい合うことって、思ったより、意外と、難しそうだ…。
脳は「今、ここ」でしか休息できないらしい
意識が過去や未来や空想の世界に繰り返し出かけていくことは、エネルギーの無意味な浪費です。そこから意識を引き戻し、実際にいろいろなことが起きている、この現在に落ち着かせることが大事です。それが脳のエネルギーの節約になります。
そうすれば脳は、いつもさわやかでオープンで、何が起きてもすぐに対応できる状態でいられます。
(中略)
脳が休憩できるのは、現在の瞬間だけです。
出来事の流れのなかに身をおいてリラックスするときに休むことができます。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.23-24)
そうか。
意識が「今ここ」にあると、何がいいのか、なぜいいのか。
その答えがここにありました。
「いつもさわやかでオープンで、何が起きてもすぐに対応できる状態」 でいられるからなのか…!
やっぱりそれって、育児中のココロに重要。
母親が「いつもさわやかでオープンで、何が起きてもすぐに対応できる状態」だと、いいですよね。いいですよね…!
そんな母親になりたいわ!
「マインドフルネスが身につくと、条件づけられて習慣になっていた自分の『逃げる姿勢』に気づき、別の生き方をしてみようと思うようになります。(p.26)」
「耳に届く音、肌に感じる感覚、目がとらえる色や形などを含め、現在の瞬間に実際に起きている出来事のなかに意識を置く生き方です。(p.26)」
ああ…なんか読めば読むほど、母親としての私が身につけたいスキルと重なります!!!
不安の何が悪いのか
マインドフルネスのいろいろな説明、ここまで読んできただけでも、なるほど、ふーん。そうかあ…と納得でした。
でも、一番、「えーっ!?」と驚き、そしてすぐに腑に落ちたのがこちら。
心が過去、未来、空想の世界を徘徊しているとき、その心の動きのほとんどは、意味がないだけでなく破壊的です。
自然環境に害がある燃料をエネルギー源としているからです。
その燃料とは「不安」です。
「不安と自然環境にどんな関係があるのだろう?」と思ったのではないでしょうか。
ふつう自然環境というと、たいていは生態系、たとえばバクテリア、菌類、植物、野生動物などが関わり合う世界を指すと思います。
でも生態系は、エネルギーの交換によって成り立っていて、不安というのは一種のエネルギーです。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.27)
…不安が、エネルギー?しかも、害があるエネルギー?
次の文章を読んだら「ああ…確かにそうだ!」と思いました。
人が不安を抱えていると、体内のたくさんの生命体、たとえば心臓、肝臓、腸、何十億もの腸内バクテリア、皮膚の細胞などに悪影響を及ぼします。さらに、恐怖や不安の負の影響は、身体内部にとどまりません。
その人が接するすべての人に影響します。
「恐れ」というのはとても感染力が強いので、家族に感染し、地域に広がり、全国に拡散します。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.28)
イライラ。
ストレス。
悩み、緊張…。
肩こり、動悸。
おなかが痛くなり、頭が痛くなり、息が乱れ、涙があふれ、眠れなくなり…。
やっぱりこれって、不安がものすごい負のエネルギーを帯びた感情だからそうなるんですよね…。
で、誰かがそうだと、周りはそれに容易に影響を受けます。
家族同士なら、なおさら影響を与え合う。
…そんなものを体に溜め込んでいて、いいはずがない!
マインドフルネスってこんな状態
マインドフルネスってあまり慣れない言葉ですが、「あ、そういう瞬間って、かつて自分にも訪れたことがあったかも…」と思うんです。
心を、「今」という時間に置くこと
マインドフルネスという状態は、心を不安や恐れのない場所に置くことでもあります。
私たちがその場所に見出すのは、「機知」「勇気」「静かな幸福感」などです。
では、その場所はどこなのでしょう?
それは地理的な場所でも、時間的な場所でもありません。
「今」という流れる時間です。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.28)
「今」という時間にどっぷりと使って、目移りせずにいられるときって、本当にたまにですが、あって。
水族館で、目の前にたゆたうクラゲを、じーっと見ているときとか。
そのとき私は本当にクラゲだけを見ていて、過去のことも未来のことも空想のことも考えていない。
それはすごく幸せで充実した時間だな…と思います。
感謝が沸いてくること
マインドフルの状態にあるとき、人は自分だけに与えられた人生のそれぞれの瞬間のありがたさに気づきます。マインドフルネスとは、お返しのできない贈り物に対する感謝を表現する方法です。
(中略)
ティーカップをもったときに手に伝わる温かさ、肌に触れる繊維のやわらかさ、雨だれの奏でる巧みな音楽、命をもたらすこの1回の呼吸などの小さな贈り物もそうです。
(『 「今、ここ」に意識を集中する練習』p.32)
そういう時って感覚も、すっきりと研ぎ澄まされていて。
身体の不調もなくて。
身体の上を時間がゆったりと流れてて、それを五感で感じられるみたいな…。
私もそれがいい…
そういう状態を作り出していきたい!!!
本書の後編には、そのための練習、「マインドフルネスを日常で実践する53の練習」が載っていました。
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明日のブログでは、その53の練習のうち、特に心に残ったものを抜粋していきたいと思います。
今日もいい一日になりますように!