おはようございます。
梅つま子です。
敬愛する「専業主婦の先輩」、薄井シンシアさんが2冊目のご著書を出版されました。
薄井シンシアさんはこんな方
フィリピン生まれのシンシアさんは20歳で、国費留学生として来日。
東京外国語大学卒業後、2年間の貿易会社勤務を経て、結婚。
外務省勤務の旦那さんに同行して5カ国で20年を過ごされたそうです。
海外生活の中で、一人娘の紗良さんをどのように育てたかが、今回の本の焦点です。
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その名も、『ハーバード、イェール、プリンストン大学に合格した娘は、どう育てられたか ママ・シンシアの自力のつく子育て術33』。
…ハーバード!
イェール!
プリンストン!
私、タイトルに震えそうなのですが…。
シンシアさんは、こうおっしゃいます。
私は、紗良をハーバード大学のような難関大学に合格させることを目標に、子育てをしたわけではありません。
結果として、ハーバード大学に通用するお子さんが育ったということで。
(どちらにしても、すごい。)
この本のタイトルを見て、
「私は子どもをハーバードに行かせる予定もないし、関係ないかな?」
と思ったのは事実です。
でも、読んでみて、それは違いました。
この本に書かれていることは、子どもを世界最高峰の大学に入学させたいという気持ちがない私のような人にも、とても有益でした。
(太字強調は梅つま子によるものです。)
「ハーバード大学に通用する人間」とはどういう人間なのか?
あらためて考えると、これほど定義しづらいものはありません。
少なくとも、数字で判定できる学力だけがその基準ではなさそうです。
ただ、もし紗良にこの「通用する力」が付いていたとすれば、私はそれを「自力」だと考えます。
「自力」とは、「自分で生き抜く力」です。
自分で判断して行動する自立性、自分で学び続け、努力し続ける自律性―このふたつの「自力」です。
(中略)
この「自力をつける」という観点で、紗良という「人間を育てた」私の極めて私的な体験をまとめたのが本書です。
ここに書かれているとおり、
子どもに「自分で生き抜く力=自力」をつけさせるために、
親が何ができるかを考えるための本であり、
子育てによって自分が学び、育ちたいと思う人のための本だと思いました。
応用できそうなこと
海外で子育てをしてきたシンシアさんと違い、
私は、日本で子育てをしてきたし、おそらくこれからも日本で子どもたちを育てていくことになります。
本書に出てくるエピソードは海外でのもので、私の子育てとは環境が違います。
でも、「ここで何が起こっているのか」と、ストーリーの背後にあるものをよく考えてみると、海外も日本も一緒。
シンシアさんが大事にしてきたエッセンスは、私の子育てにも応用できると思いました。
やりたいといったことはやらせ、やめたいといったことはやめさせる
習い事は子どもの興味を優先する(p.56)、というくだりがありました。
紗良の習い事に関しては、彼女の言うがまま。
やりたいのなら、どうぞどうぞ。
やめたいのなら、どうぞどうぞ。
ちゅうちょなく、「はい、次!」「はい、次!」とまるで飛び石を渡るように、次々と習い事を変えましたが、私はひと言も反対しませんでした。
だって、プロになるわけではないのですから。
これは目からうろこでした!
私は、せっかく始めたのならせめて1年は続けてほしい…なんていつも思ってしまっていました。
体操の習い事をやめたときも、「うまくいかなかったな」という思いが残ってしまって。
やりたいことは後押しし、やりたくないのならやめてもいい。
これが、私の方針でした。
途中でやめては忍耐力が育たないと言う人もいますが、いろいろやることのメリットもあります。
多様な経験を経ることで、紗良は世界を広げ、選択肢を増やし、人生を楽しむ豊かさを手に入れることができました。
私の子どもも、これから始める習い事もあるかもしれないし、これからやめる習い事もあるでしょう。
「プロになるわけではないのですから」、「いろいろやることのメリットもあります」は、私の心を軽くしてくれそうです。
自分で決めさせ、守らせる
夜、遊びに行きたかった紗良さんに、帰宅の時間を自分で決めさせた話が出てきました。
親だからといって「~しなさい」「~はダメ」といった高飛車な態度に出ることは、やりたくありませんでした。
そのためには、まずは反抗されないようにする。
もっと言えば、「反抗する理由を与えない」ことが肝心です。
つまりは予防策に、私は知恵を絞ったのです。
『ハーバード、イェール、プリンストン大学に合格した娘は、どう育てられたか』(p.128)
このとき、紗良さんは、「帰宅する時間は、12時半」と決めたそうです。
他の親たちは、必ずしも賛成ではありませんでした。
「17歳の娘に12時半だなんて……」と。
でも、私は「本人が決めたことなのよ」と意に介しませんでした。
論理的に考えても、電車が走っているんだからいいでしょう、と。
『ハーバード、イェール、プリンストン大学に合格した娘は、どう育てられたか』(p.129)
この夜遊びは、ちょっぴり苦い結果になったそうです。
なぜなら紗良さんは電車に乗り遅れ、12時半のはずが、12時55分に帰宅することになったから。
「自分で12時半って決めたのに?」
命令より論理で!
叱るよりも納得させることが大切
『ハーバード、イェール、プリンストン大学に合格した娘は、どう育てられたか』(p.131)
叱ってもいいことない…と気づいているのに、ついついキツい言い方になってしまう私、反省しました。
自分のことを考えてもわかります。
命令されても、叱られても、前に進めないけど、
納得すればおなかに落ちて、自分で悪かったことは悪かったと認められるし、
次はどうやったらいいのかを考えられるんですよね。
親子ゲンカにしない
本書に書かれている33個の子育てアドバイスは、
すべて「親子ゲンカにしないコツ」につながっていると感じました。
それもそのはずで、
シンシアさんは「子育ては期間限定」と理解し、
一人の人間として紗良さんを尊重することを第一に念頭においてきたから。
常に気に留めていても、親として子どもによかれと思うことが、しばしば「~しなさい」という命令や「親の言うことは聞きなさい」という高圧的な態度となって出てしまう。
しかし、これはやはり親の押し付けなのだともいます。
私もお恥ずかしいことに、
命令したくない、押し付けたくない、と思っていても、心とは裏腹に強い言葉が出てしまうことが多々あります。
幼いからといって、紗良に道理が通じないわけではありませんでした。
同じことでも、紗良と目線を合わせ辛抱強く、丁寧に接しました。
分からなければ、違う手段を考えました。
そして、幼い時期でも「紗良はどう思う?」と必ず彼女の考えに耳を傾けました。
この試行錯誤のプロセスが、紗良を一人の人間として尊重するということなのだと、私は自分に言い聞かせました。
自分の主張ばかりに気を取られ、
「こんなにやってるのに!」と、自分の努力ばかりに目が向く私。
素直に納得してくれない子どもにカッとなってしまうことが多かったなと…反省します。
もちろん、分からない紗良に腹を立て、命令口調になったこともありました。
そんなときは、必ず謝りました。
「ごめんね、ママが悪かったわ」と。
これもまた、紗良を一人の人間として尊重することにつながったと思います。
本書を通して、シンシアさんが紗良さんにどういう接し方をし、母娘の間に何が築かれたかがよくわかりました。
なによりも、シンシアさん自身が楽しんで子育てし、子育てからたくさんの事を得て学んでいるのが素敵なんです。
なのでもう一度言いたい…、
この本は、子どもを有名大学に入れたい人のための本というよりは、
子育てから自分が学びたいと思っている人のための本だ!と思っています。
部分で切り取ると「変な子」「変な親」になることも
紗良さんが子どもだったときに、ごっこ遊びにはまっていて、
シンシアさんが捨てた色あせたロングスカートをはいてレストランに行ったことがあったそうです。(p.79)
「私、汚れてないよ」と言い張って、数日お風呂に入らなかったことも。(p.67)
親から見て「変」なのに、「そのままでいいよ」と言うのは苦しいものだと思います。
何より、先生や他の親、まわりの人から見てどう思われるか。
私も世間的が気になるほうなので、「これ、自分に同じ判断ができるかな…」と思いながら読みました。
部分的に切り取ると変に見えたり、これは子どもに許したくないなと思えることでも、OKを出すシンシアさん。
そこに、「子どもを一人の人間として尊重する」というブレない軸があるからだと分かります。
それに、残念だけど、親子の間の一貫性は、外からは見えないんですよね。
親の使い古しのスカートをはいてるのも、
毎日お風呂に入らないのも、
門限が12時半なのも、
部分で切り取ると、他の人からは「?」と思われがち。
そこを、「これでいいんだ」と思い切れる強さがほしいです。
反省点の多い私の育児。
だけど、
「他の人がしないことでも、自分にとっては筋が通っていること」を見つけて大事にしていくことで、
「子育てを通して私は学んだ」ときっと最後に言えるはず。
これが、私がこの本を読んで一番強く感じたことです。
その種を見つけて、育てていきたいです
▼シンシアさんの最初の本、こちらのレビューもぜひどうぞ!
▼今回読んだ本
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今日もいい一日になりますように!