おはようございます。
梅つま子です。
7歳娘がとっても気に入っている絵本の話です。
『こんもりくん』
こんもりくん 山西ゲンイチ 偕成社 2011年01月 売り上げランキング :
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表紙のインパクトよ…。
この男の子、髪の毛を切るのを抵抗した結果、
こんな髪形になっております。
絵本ナビの編集長、磯崎園子さんの解説がとてもよかったので引用します。
(太字強調は梅つま子によるものです。)
こんもりくんの大きな大きな髪の毛の中にはいったい何がつまっているのか・・・?
山西ゲンイチさんが描く子ども達の、明るい表情が大好きなのですが、
こんもりくんときたら、顔も佇まいもまた飛び抜けて明るい!
生まれてから一度も切らないうちに、とんでもない髪型になっていったこんもりくん。本人はいたってお気に入り。
ところがある日、ふとしたきっかけで自分の髪の毛の中の世界に迷い込んでしまうのです・・・。
ここから先は奇想天外、とても予測のできる展開ではありません(笑)。
自分の髪の毛を切ると言われると、抵抗をしてしまう気持ち。ちょっと懐かしいような・・・わからないでもないような。
読み終わった後に、こんもりくんのほんのりとした成長を感じて、清々しい気持ちになってしまうのもまた面白いのです。(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
本人には、髪を切らない理由があるし、
親には、髪を切らせたい理由がある。
最終的にはどうなるか、は、
本を読んだ方のお楽しみ、です!
ここからは、私の勝手な感想
この話、娘に何度も読んでいるうちに、
すごく示唆に飛んだ話なのでは、と思うようになりました。
こんもりくんが経験したことは、楽園のような経験。
とても楽しくて、でも、いつかは終わりが来る。
自分がまいた種とはいえ、決定的で、考えようによっては、一方的でツラい別れでもある。。。
「自分が創り出したインナーワールドが心地よいからといって、そこに安住していると、周囲(親)を心配させる」
「自分が創り出したイマジナリー・フレンドを雑に扱うと、返り討ちにあう」
「親からの助言が一度抵抗され、そののち受け入れられたように見える場合でも、本人の納得は別のところにある」
そんな法則が浮かび上がるな、と考えました。
…ちょっと辛らつな、人生へのメッセージ。
それでも、この物語全体の明るいトーンと、こんもりくんの変化がポジティブなものとして描かれていることが印象的です。
それを大事にすると、私がこの絵本から取り出して感じとるべきは、このことかなと。
「自分が創り出した心地よい世界から、痛烈に否定される経験が、人間が前進するためには必要である」
たぶんこれって、人が、以前いた場所から進んで、成長していくためには必要なことなんですよね。
誰かに無理やり手を引っ張られて、ではなくて。
そして、自分以外に、自分のインナーワールドの価値を見つけてくれる人、
自分がそこから脱却するのを手伝ってくれる人(こんもりくんの場合は両親)がいるのはありがたいことである、
ということも付け加えたい。
なんのこっちゃ?
かもしれませんが、私に、とてもゆっくりと、そしてしっかりとグサっと刺さった一冊です。
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明るくて、ちょっと不思議な、こんもりくんの世界でした
今日もいい一日になりますように!