おはようございます。
梅つま子です。
タイトルに惹かれて、この本を読みました。
吉田尚記 太田出版 2015年02月 売り上げランキング :
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考えてみれば私にも、「話をすると楽になる人」がいるし、
願わくば私も、「話をすると楽になる人」でありたいなと思っています。
本書の著者の吉田尚記さんはラジオアナウンサーでありながら、
「コミュ障」とおっしゃっているのがとても興味深かったです。
本書はいわゆるハウツー本のような形で、
図式化されたきれいなコミュニケーションテクニックを学ぼう、
という感じのものはなく、
吉田さんの経験を交えながら語られていき、
そこから何を得るかは読者にゆだねられているスタイルでした。
いちばん感銘を受けたのが、
本書のタイトルにも関係のあるこの部分。
コミュニケーションをとっていて楽になる人というのは、きっと、自分を許すことができた人です。
自分で自分を許せない、何度も修羅場を経験して、いつか自分を許して、解き放した状態になれた人。
そういう人は話をしていてとっても楽です。
『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(p.203)
これだけだとまだ、「なぜ、自分を許すことができた人と話すのは心を楽にする経験なのか」が、うまく説明されていないような気がするんですが、
体感レベルではこれ、とてもよくわかる。
私も、その人の豊かな世界の中に取り込んでもらって、楽にしてもらえたことが何度もあるからです。
たぶん、自分が自分であることの折り合いがついている人は、
むやみに人を攻撃したり、否定してこないんです。
自分を許すことができているから、人のことも自分のことも蔑む必要がない。
判断をはさまず、大きな許容の態度で、
会話のなかに自分のことも相手のことも位置づけることができる。
そういう会話は私の心をとても温めてくれる。
本書を読んで私が学んだことは、
・コミュ障はコミュニケーションに違和を感じている時点で、可能性がとても大きい
・コミュニケーションにおいて自分のことはどうでもいい。相手のためにコミュニケーションはある
・相手に対して、驚くこと、褒めること、面白がること。「ふーん」や「なるほど」だと会話が終わってしまいがち。相手の話に価値を見出す
・コミュニケーションでは、相手のテンション(気持ちの張り具合)に自分を合わせる
・会話は時間の中で、ズームインかズームアウトかしていくもの。そこをブレないようにする
などです。
実際にすぐに会話に応用してみたくなったし、
会話をしているときの自分がどうであるかをモニタリングしてみたくなりました。
こういうのは、単なるテクニックだけじゃないっていうのはよくわかるけど、
例えば「驚くこと、褒めること、面白がること」を表現するためには、
どういう言葉遣いをしたらいいのかな、という問いも生まれました。
会話も一期一会。
会話というのは、相手から何を引き出し、何を学び、どういう時間にするかをゆだねられていることでもあります。
プレッシャーではあるけど、基本的にとても楽しいことだと再認識しました。
「楽になる」という得がたい経験が、コミュニケーションを通してできるって、すごいことです。
もしかしたら、コミュニケーションを通してしか楽になれないのかもしれないとも思います
今日もいい一日になりますように!
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