おはようございます。
梅つま子です。
友達が薦めてくれたこの本を読みました。
玄田 有史 岩波書店 2010年10月20日頃 売り上げランキング :
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全編通して読みやすい素敵な本なのですが、
最後の方にあるエピソードがとにかく素晴らしいので、
長いのですが、そこを引用します。
著者の玄田有史さんが、中高生に向けて話すメッセージとして紹介されています。
「大きな壁にぶつかったときに、大切なことはただ一つ。壁の前でちゃんとウロウロしていること。ちゃんとウロウロしていれば、だいたい大丈夫。 」
意味が分からず、ポカンとしている生徒さんもいます。
ウロウロしているだけでは意味がない。
もっと頑張って乗り越えるように努力すべきだ。それでも駄目なら、戦略を練り直して、別の道をすぐに探していくべき。
そんな考えが、顔に書いてある人もいます。
私はなぜちゃんとウロウロしていれば大丈夫なのか、こう説明します。
「壁の前でただウロウロしているだけでは意味がないと思うかもしれません。
でも、どうしよう、どうしようと、とにかく立ち止まらずに壁の前を行ったり来たりする。
その時本当に偶然なのですが、 壁の下に小さな穴が見つかったりすることがある。
その穴を一生懸命に手で振り上げていくと、わずかに通り抜けられるくらいのトンネルが出来たりする。
そこに勇気を持ってもぐりこんで、もがいているうちに、壁の向こうにたどりついたりすることがあるんです。
その穴は、行動せずに立ち止まっていただけでは、みつからなかったかもしれない。ただ、ウロウロしていても穴も何も見つからない、ということはあります。
いよいよもう駄目なのかと思う。
けれど、もう一日だけ粘ってみようとした最後の日の最後の瞬間に、グラッと地面が揺れて、その拍子に壁に亀裂が走る。
しまいには壁そのものがガラガラと勝手に崩れていく。土けむりの舞うなかを、自分で乗り越えたわけではないけれど、壁の向こうに行けたりする。
それも早々に諦めていたら、あとで壁が崩れたことにも気が付かなかったかもしれないんですね。
こんなことだってあります。穴も見つからない。壁も一向に崩れそうな気配もない。今度の今度こそ、本当にダメかもしれないと思う。すると、何か遠くで音がする。
ブルブルッていう音がする。空を見ると、向こうからヘリコプターらしきものが飛んでくる。そのうち自分の上空で旋回を始める。
すごい風の中、なんだろうと思っていると、ヘリコプターからスルスルとロープが降りてくる。これは自分を助けてくれようとしているのか。
不安になりながらもロープを掴んでみる。すると、一気にヘリコプターは上昇する。手を離したら死ぬと思って、必死にロープにしがみつく。そのうち、ヘリコプターはゆっくりと壁の向こうまで移動して、下降していく。
ロープを握っていた自分が地面についたことを見届けると、誰が操縦しているのかも結局わからないまま、ヘリコプターはまた遠くに飛んでいってしまう。
何がなんだかわからない。でも自分がウロウロしていたからこそ、発見して助けてくれたんだと思う。壁の前でちゃんとウロウロしていると、いつかそんなことが起こる。だから大丈夫なんです」。見通しもよくわからないまま、挫折しそうな壁の前で、ただウロウロするなんて、確かに無駄なことのように思います。
けれども希望は、無駄とか損とかいう計算の向こうにみつかったりするものです。そして挫折を経験しながらも、ときに誰から誰かの力をかりて試練をくぐり抜けていこうとする行為そのものに、希望は宿るのです。『希望のつくり方 (岩波新書)』(p.200-202)
私の人生にも上手くいかないことはあるのですが、
これまで私は壁にぶつかったときに、さかしらに「ああ、駄目だった」と思って、さっさと壁を後にして去ってしまっていた気がします。
壁にぶつかっている自分自身が恥ずかしいし、それを人に見せることなんてもっと恥ずかしいし。
なんだかんだと言い訳をつけてなかったことにしたかった。
だけども。
その場から立ち去らないで、無駄と思えるようなことをあれこれしている姿の、
何が悪いのか?
あきらめが悪くて馬鹿みたい?
自分のことなのに。
何で、泥臭く頑張ろうとする、
自分の応援ができないんだろう。
頑張ろうとできなくて立ち止まっていたって、
そこにいることだけで、すでに自分にとっては大変なことだったのに。
何で認めようとしなかったか。
自分が自分の一番の親友でいなきゃいけなかったのに。
壁にたどり着いたなら、あきらめず、毎日壁のことを考えればいんだ。
それが事実、自分の壁なんだから。
そういう姿を、
そのまま、自分にもまわりにも見せればいいんだ。
あーできない、あー乗り越えられない、って、
毎日思って続けていればいいだけだったよな。
今日、私は誕生日なのです。
この一年、私の目標は、
「ちゃんと壁の周りで、”どうしよう、どうしよう”と言いながらウロウロする」ことを目標としたいなと思いました。
そのためにはまず、
自分の壁を「これが自分の壁なんだ」と理解して、取り組むこと。
それだって簡単なことじゃないなと思うんです。
また1年無事に年を重ねることができました。
— 梅つま子@月経カップとシンプルライフとオンライン英会話 (@umetsumako) May 17, 2022
信じられないような素敵な出会いがあり、友情に恵まれて楽しい1年でした。与えられているものに見合うくらい、与えられる人になりたいです。そして自分に親切に。これからもやりたいことをやってのびのび生きていきます。ありがとう! pic.twitter.com/jH4VFz5h9x
自分の希望は、「大丈夫、大丈夫」と自分に声をかけながら育てていこうと思います
今日もいい一日になりますように!