おはようございます。
梅つま子です。
図書館で本を借りて読みました。
あの光浦靖子さんの本。
手芸が上手らしいとは知っていたけれど、
これほどまでとは!
中には、光浦靖子さんのブローチ作品がこれでもかと載ってます。
沖縄をテーマとしたもの、動物をテーマとしたもの、日本をテーマとしたもの。
羊毛フェルトやビーズ刺繍などの技術がちりばめられていて、
構図や色彩のセンスも素晴らしすぎる。
図書館で借りたのですが、
借りる前に、ほとんど図書館内の立ち読みで読みきってしまったのに借りて、
さらに、次に借りる人がいないのを確認して延長までして、
長いこと部屋に置いておいた。
とても好きだわ!と思いながら。
とても好き、とても好きだし、
光浦靖子さんのフェルトブローチ作品は、独創的で芸術の域なのですが、
それを扱う本書の立ち位置に、若干の迷いなのか、彼女の芸人としてのポーズなのか、
はたまた編集上の都合なのか、
なんとなく「すみません」な感じが漂っていて、いたたまれなかったです。
これは私が子どもがまだ幼かったとき、
ベビーカーや抱っこ紐で移動していたときに主にやってた「未然謝りプレイ」にすごく似ている気がしました。
ごめんなさい子連れで!ご迷惑ですよね!というポーズをすぐ出すことに慣れた、
幼児の子を持つ母の感覚。
それがなんとなくこの本を読んでいてよみがえったのは、
光浦靖子さんが、大久保佳代子さん、いとうあさこさんと結成した手芸部が、
「ブッス!手芸部*1(p.53)」という名前だったり、
芸人さんに手作りのプレゼントをしたら「帰ってくれないかな。いらねーんだよ(『靖子の夢』p.70)」って言われたり。
そういうところから。
何でそんなことを言ったり言われたりしなきゃいけないの?と心から思う。
”それはそういう笑いなんだよ、芸人なんだし”
という話なのかもしれないし、
ほかでもない光浦靖子さんが納得しているならそれでいいのかもしれませんが、
私は自分が自分に対して思うことがある、
「何でこんなふうに自分を扱わなきゃいけないのだろう」
という問いと結ばれて、
この本の中の作品が大好きなんだけど、
作品を表現するために包まれている文脈への、
大きな大きな「?」が気になって気になって、
のどの奥のつっかえというか、今私ののど自体が究極の違和!というか、
変な気持ちになります。
憧れと悔しさのないまぜになったような。
ちなみにそんなに昔に出た本でもない(2017年発行)。
結果として私はもっと光浦靖子さんを知りたいし、
(すごく知的で感性の豊かな方だと思っている)
彼女がこれからも素敵な作品をたくさん作ってくれるといいな!と願ってやまないです。
一冊の本にこんなに思いをかきたてられることはあまりないので、
この本はすごく強いのかもしれないです。結果として。
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今日もいい一日になりますように!