3年前、娘の出産のために入院する日、
映画館で映画を観ました。
「モンスターズ・ユニバーシティ」です。
モンスターズ・ユニバーシティ|ブルーレイ・デジタル配信|ディズニー
「モンスターズ・インク」は学生時代に留学先で観て以来大好きな作品で。
「モンスターズ・ユニバーシティ」もとても面白かったです。
マイク可愛い。
今回もお腹の中にいるうちに何か映画観に行けたらいいなと願っていたのですが、
思いがけず行けました。
「君の名は」観ちゃいました!
すごい話題になってるし、先日会った友人が「観てきた」というので、背中を押された感じです。
「レッド・タートル」も観たかった、ほんとは。
映像すごくきれいなのももちろん、セリフがよかったです。
所感を書こうかなと思います。ネタバレになりますので、たたんでおきますね。
まだご覧になってない方は、ご注意くださいませ。
主人公の、瀧と三葉の2人に、それぞれ、良い友達がいることがこの物語の希望を支えている感じがしました。
特に三葉の友達、てっしーとさやちんが、
町の住人を避難させるための計画に加担することは、
彼らは、町に隕石が落ちる歴史を知らないわけなので、
三葉の言うことは、まゆつばの荒唐無稽に思えたはずだし、さらに避難計画の提案は、下手したらほとんど犯罪の片棒を担がされるようなことだと思うのです。
特に、土建屋の父の後を継ぐ、この町でずっと生きていくだろうと覚悟を決めてるてっしーにとっては、なお決断に勇気がいることだと思います。
でも、三葉のこと、全幅の信頼を置いて、二人とも、避難計画の一翼を担うんですよね。
計画の途中で三葉が、立ち止まった時、
てっしーが「知るか!お前が全部始めたことだ!」と叫ぶのですが、
その”知るか”は、父の会社の資材をかすめて、変電所を爆破するまでした彼に対して責任をとれという意味の言葉ではなくて、
友人としての三葉を奮い立たせようとして言ったことだと私は思いました。
ひとりの人間としての三葉の成長のために、必要な言葉だと思いました。
人は親に背いても、友情を道しるべにして、突飛な行動をとることができるし、
そういうことを若い時にしたことがあるという事実が、そのあとの人生をも温めると思います。
前半の入れ替わり劇は、テンポがよくてとても面白いものでしたが、瀧のそれと比べて三葉の生い立ちは、映画でクローズアップされている分、考えさせられるものがありました。
三葉が、小さな町の長い歴史をもつ神社の娘として生まれ、父は政治家、母は死去していて、神社を継ぐべく、祖母と妹と暮らしているために、かなりの制限やプレッシャーがかかっていることは容易に想像できます。
一部の級友から好奇の目で見られてもいるので、鬱屈したものを育てても当然だろうと思います。
それに対して、瀧の東京での高校生活は、バイトという学校社会とは別の世界に触れたり、カフェでの気の置けない友人との会話があったりと、軽妙で愉快です。
三葉はその後、東京で暮らすことになるようですが、隕石が落ちるという不可避で暴力的な自然災害が、町、神社、そして家庭の重い歴史から逃れて、三葉が一人の個として生きるようになることをある意味助けたようにも見えました。
他方の瀧も、映画の中では父親と二人暮らしのように見えました。
くしくも、三葉も瀧も二人とも、母親不在の高校生活を送っているのですよね。
子を持つ母親としては、母の目のないところで成長する二人が、もどかしく、いじらしく、まぶしく…、
いつか我が子も友を得て、私を離れて「誰か」を探しに行く日が来るのかな…と考えさせられるものがありました。
母親としての私の役割は、そこに子どもたちが至るまで、食べさせ寝かせ、大きくすることなのよなあ~。
うちの子どもたちはいったいどんな高校生活を送るのかな、と思って観た映画でした。