明日も暮らす。

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シンプルで暮らしやすい生活を目指しています。オンライン英会話(英検1級)と空手(黒帯)が趣味。大学院博士課程修了(人文科学)。2児の母。

大人の生き方はそうじゃなくちゃ。長嶋有『今も未来も変わらない』。

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おはようございます。

梅つま子です。

 

勝手に夏の読書期間に入っている私、

今回読んだのはこちら。

『婦人公論』、じゃなくて…

 

 

長嶋 有 中央公論新社 2020年09月23日頃
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長嶋有『今も未来も変わらない』でした。

 

この人の書くものが好きなのですが、

好きすぎて、ちゃんと味わえる自信があるときじゃないと手を出してはいけない気がして。

殿堂入りの一冊はこちらです。

 

長嶋有 朝日新聞出版 2009年02月
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ストーリーが似ているとかじゃないと思うのに、

この本のことを思うとき、ジュンパ・ラヒリの『停電の夜に』が出てくる。

表紙がなんだか似た印象だからなのか、

同時期に読んだからなのか、

この本を読んだときに仲良くしていた友達に薦められた本だからなのかよくわからない。

 

ジュンパ・ラヒリ/小川高義 新潮社 2003年03月
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話は戻って、『今も未来も変わらない』。

主人公が子育て中(とはいえこちらのストーリーのお嬢さんはもう大学受験の年齢)の40代女性なので、

同世代ということもあって話に入りやすい。

そのあとの展開も最高なんだけど、

こういう、現実から距離が近いように見えるファンタジーは気分が上がりますね…!

 

作中で主人公たちは「あぁ」が歌詞に出てくるという縛りでカラオケを始めるのですが、これがまたたのしい。

 

ただの詠嘆だ。でもその詠嘆がまるで歌われる嬉しさの「本体」みたいに曲を弾ませている。
(『今も未来も変わらない 』51ページ)

 

あとは、人間関係に関する洞察とか、感情への気づきなど、

みずみずしくてちょっとヒリッとする。

 

二人で一つの思考を用心深くたどる、それ自体官能的なことじゃないか。
(『今も未来も変わらない 』71ページ)

 

誰かと友達になる前、友達になりたいなと思った同士、どちらからも同時に発せられる、あの心地よい吸引力よ。歳をとっても、誰かと友達になりたいという気持ちは湧くのか。
(『今も未来も変わらない 』126ページ)

 

もっと根源的に、誰かやなにかを好きになるということ、それ自体が恥なんだ。恋って素晴らしいとか、人を好きになるって素敵とか本当は嘘だ。「はずかしく孔雀で羽根をひろげきる」という池田澄子の俳句を星子は思い出した。
(『今も未来も変わらない 』132ページ)

 

子供を育てるということは端的に「つまらない人」になるということだ。そのことは「子育てはつまらない」という言葉と似るが、同義ではない。子供を育てると、人は率先してつまらない人になっていく。付き合いも悪くなるし、本や映画も見なくなる。インプットがなくなる。子供にかける言葉も生命の保全と健やかな成長を第一義にしたものになるから畢竟、道徳的になるし口調も語彙も独創的でなくなる。望んで、せっせと、つまらなくつまらなく。
(『今も未来も変わらない 』166ページ)

 

「そのときその相手にだけ発揮される、嘘ではない態度」というのが自分にもある。
(『今も未来も変わらない 』193から194ページ)

 

「準備の足りない人も、実力が足りない人でも唯一、なんのコストもなしにすぐ持てるものが一つだけある」
「なに?」
「それは勇気です」
(『今も未来も変わらない 』242ページ )

 

いいですよね。

こういう文章を読むと、生きてるって良いなあと思っちゃう。

 

いい本というのはいつも、

「私この本に出会うべくして出会ったな」と思わせてくれるんだけど、

それはこの箇所にあった。

 

ここが私が今日のブログで書きたいところなのですが、

これを皆さんに教えていいかどうか悩むので、

今回は、強調しつつ伏せるという荒業をしてみます(すみません、すぐに知りたい方は、本を手にとっていただければ…!)。

 

「あのとき星子さんと呑んで、志保さんとカラオケに行って私、悟ったんです」
「?」
顔が近いのは相変わらずだなあと思いながら相槌をうつ。
『大人は   なければ』って」
「たしかにそうですね」
星子のその賛同では足りないみたいに、さらに顔を近づけてくる。
『幸せにならなければ』じゃなくて、『   』ないと」千場先生はにっこり笑った。
「なるほど」
「で、そのためには**しないとって」
「そうなんだ」
「そうなんです」
(『今も未来も変わらない 』238ページ)

 

これは私が普段から感じていたことで、

でも言語化の何段階も前の段階にいたと思う。

きっと私はしばらく生きたあと、ここに至ったんだと思うんだけど、

自分だけだったら何年もかかった、

私がたどり着きたかったところをこっそり教えてくれたような気分です。

 

きっとそうなんだよ、

私が英会話しているのも、空手しているのも、ウクレレしているのも、

ツーブロックにしたのも、ぜんぶそれ。

 

この、「千場先生の”大人の生き方”に関する結論」は、

私もこれから使っていくと思う(ので、今は伏せてるけど今後のブログにも出てくると思います)。

私のこれからの生き方の指針になるような言葉でした。

 

つま子

やっぱり読んでよかった。本との、偶然の出会いの意味を感じました!

 

今日もいい一日になりますように!

 

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