おはようございます。
梅つま子です。
今日の私は、アフロです。
稲垣えみ子さんの本を読んだので、アフロつま子の出番です。
稲垣えみ子さんの「定年を待たずに退社」という経歴が気になって、初めて読んだのはこちらの本です。
『魂の退社』
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ちょうど1年前のことです。
稲垣えみ子『魂の退社』を読んで、私もアフロにしたくなりました。(前編) - 明日も暮らす。
稲垣えみ子『魂の退社』を読んで、私もアフロにしたくなりました。(後編) - 明日も暮らす。
続いてこちらの本も読みました。
『寂しい生活』
稲垣 えみ子 東洋経済新報社 2017-06-16 売り上げランキング : 14613
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稲垣えみ子『寂しい生活』は、専業主婦の私に語りかける本でした。(前編) - 明日も暮らす。
稲垣えみ子『寂しい生活』は、専業主婦の私に語りかける本でした。(後編) - 明日も暮らす。
どちらも、「どう生きるか」について書かれた本でした。
何を持つか、何を持たないか。何を選択するか、何を選択しないか。
今回読んだ本は、『もうレシピ本はいらない』
稲垣えみ子 マガジンハウス 2017-09-07 売り上げランキング : 7654
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「何を食べるか」「どう作るか」について直接的に書かれ、それによって「どう生きるか」を考えさせてくれる本でした。
この本どこかで見たな~と思ったら、あきさんのレビューでした!
ごはんが食べたくなる【もうレシピ本はいらない】を読んで - ちょうどいい時まで
確かあきさんも、この本を読んだ後、ぬか漬け生活送られていらっしゃると認識しています。
稲垣さんの影響力よ!
それにしても稲垣さんのクッキングの身軽なこと、手軽なこと!
プロローグはこんな感じで始まります。
(以下、太字やアンダーラインは梅つま子によるものです。)
今の食生活はこんなかんじ。
調理時間は10分でチャチャッと。
材料費は一食200円程度。
特別なスキルもセンスも不要。
ワンパターンだから「今日は何に作ろう」と頭を悩ませることもなし。
「作りおき」なんてする必要ゼロ。(p.5-6)
うっそー。
10分ですって、200円ですって!?
いくら稲垣さんが一人暮らしだからといって、そんなに時短で済むのか!お安く済むのか!
「料理」についての語り口は、すごく軽やかです。
料理って、もともと生きるために必要なこと。
つまりは誰でも、男でも女でも子供でも、それなりにこなせるものだったはずです。
それなのに、いつの間にかそれは、健康で体力も才能もある元気な人だけができることになってしまったのだとしたら、それはどこかおかしいんじゃないでしょうか。(p.43)
確かにいまや料理って「できる/できない」「する/しない」「上手い/下手」 がはっきり分断されている気がします。
それだからこそ、料理をする担当者は家族の中で固定されてしまいがち。
食べることは楽しい。
人に食べさせることも楽しい。
それを否定する人はいない。
だからこそ、いつの間にか私たちは「食べること」を際限なく暴走させてきたのではないだろうか。
(中略)
料理はどんどん複雑になり、美味しいものはさらなる美味しいものへの欲求を生み、食べることは「生きるための手段」からどんどん遠ざかっていった。
それは際限のない娯楽となり、競争となり、そして苦しみとなった。
その苦しみに耐えられなくなった人たちが、家事代行や、食事の宅配サービスに、少なからぬお金と、後ろめたい気持ちを支払っている。(p.48)
美味しいものを食べたい。
そして食べさせたい。
それができる自信がないから、外食やお惣菜に頼りがち。
それでもある程度、いいかなと思う気持ちはありつつも、やっぱり普段の食卓に関しては、「自分で、さほど労力なく、そこそこ美味しいものが作れればありがたい」 という気持ちが根底にあります。
グーッと飛んで、本書のエピローグにはこうあります。
現代の世の中はどうも2種類の人間に分かれているのだ。
一つは、毎日毎日キラキラした料理を頑張って作り続ける人たち。
もう一つは、もう料理なんかしたくないという人たち。
私がこの本で伝えたかったのは、このどちらでもない、第三の道があるんじゃないかということだ。(p.265)
第三の道…!
この第三の道こそが、私の進みたい道かも。
簡単だから、美味しいから、自分で作りたいと思う自分になりたいんです。
本書を読んで決めたこと
稲垣さんの本には「こんなこともできるよ」というヒントがあふれていました。
私が拾ったヒントは、この4つです。
やりたいこと(1)毎日味噌汁を作ろう
「味噌」の「汁」。
そう、つまりは味噌に湯を混ぜて汁にすれば良い。
これで立派な一品の完成。
一分もあれば十分。
具なんてあったってなくたっていい。
だってすでに「味噌」が入っているじゃないですか!
(中略)
考えてみれば元は大豆です。
それが発酵してより栄養がアップしているんですから、味噌そのものが具と考えたっていいんです。(p.92)
そ、そうか。
「そうめんの具は、おつゆだけでいいよ」のマイクロズボラみたいですね。
「味噌汁の具は、味噌だけでいいよ!」ってとこでしょうか(笑)
元気が出ます。
味噌だけでいいとのことですが、私はスープは味がしっかりのが好きなので、茹で鶏を作ったときに出るスープや、圧力鍋で煮豚を作るときのスープをベースに作ることが多いです。
鶏出汁、豚出汁の味噌汁。
豚の出汁って変かな?と思ったら、豚汁なんか、まんま、豚出汁の味噌汁でしたね。
やりたいこと(2)エノキを干そう
2つ目のやりたいことは、えらく限定的になりました(笑)
エノキって、冷蔵庫に入れっぱなしにしておくと、気づいたらグズグズになっていたりしませんか。
買ったらあわてて食べなきゃいけないものの一つです。
しかし、私にはそんな心配はまったくありません。
帰宅するとすぐにパックから取り出し、束をバラバラにして、ベランダのザルの上に広げておく。
水分たっぷりのエノキは、天気のいい日は半日で藁のようにカラカラになります。
これが「干しエノキ」です。
で、これが旨みたっぷり!
生のエノキにはない「キュッキュッ」という食感もたまりません。
(p.100-101)
もちろん、干せるものは、エノキだけではありません。
「朝にタマネギをスライスして干しておき、夕方帰宅したところでしんなりしたタマネギに味噌と湯を注げば絶妙に火が通ったタマネギの味噌汁が完成(p.99)」、「太陽とは実にガスコンロのごとき熱源(p.99)」なのだそうで。
干しエノキのほか、私が味噌汁の具におすすめする干し野菜は以下のとおりです。
干し大根
干しタマネギ
干し長ネギ
干しキャベツ
干し白菜
味噌汁に入れるサイズにカットしてから干しておけば、そのままお椀に投入するだけ。(p.103-104)
わくわくしてきます。
ちなみに、白菜は生で食べるのも美味しいそうで。
「キャベツの千切りの要領で、生のまま細く切ってポン酢やすりゴマをかけて食べる」(p.126)のがよいそうです。試そう。
干し野菜、まずは、ざるを調達するところからかな?
パンチングざるとか、ホーローバットとかでもいいのかしら。
やってみたいこと(3)ぬか漬け
正確には「再開したいこと」ですね。
夏にやってたぬか漬けライフ、もう一度始めることにしました!
こちらにチャレンジしてみたのでした!
こちらのキットは、冷蔵庫に入れるタイプでした。
今度は思い切って、「冷蔵庫に入れない」やり方で試してみようと思います。
なんでも、冷蔵庫に入れていた稲垣さんのぬか床は、冷蔵庫から取り出したら、息を吹き返したそうで。
ああ生きていたんだ!
何が生きているのかはよくわからんが、どうも確実にこの中に生き物がいる。
で、わが冷蔵庫の中で長いこととほったらかしにされ、何お世話されることもなく無視されてきたにもかかわらず、新ではいなかったのです。
しかもちょっと揺り動かしたら、「今更なんだよう」とかグレることもなく、ちゃんとまっすぐに起きてくれた!
(中略)
以来、私はぬか床を混ぜることが苦でも何でもなくなったのです。
つまりは、ぬか床は「ある」んじゃなくて「同居している」と思えば良いのです。(p.165-166)
というわけで、同居人(稲垣さんいわく、料理を手伝ってくれる生き物、仲間、お抱えシェフだそう!)をお迎えするつもりで、ぬか床購入予定です。
稲垣さんおすすめのぬか漬けの中から、私もやってみたいもの。
・ナス
・キュウリ
・ピーマン
・オクラ(さっと茹でてから)
・アスパラ(さっと茹でてから)
・枝豆(塩茹でしてから。チーズみたいな味になるらしい)
・ジャガイモ(固めに茹でてから。これもチーズ味だそう)
・ごぼう(固めに茹でてから)
・大根
・ニンジン
秋冬はぬかも動きが鈍くなるそうで漬かりにくくなるらしいですが、その分ほったらかししていても大丈夫だそう。
私はお酒飲まないのですが、オリーブオイルをたらしたら、お酒との相性がよさそうなんですよねえ。
ぬか漬けの上から上等なオリーブオイルを一滴たらす。
ぬかの香りと、オリーブオイルのクセが絶妙にミックスされて、まさに驚きの「ごちそう」です。(p.118)
罪悪感少な目のおやつとしても、力を発揮してくれそう。
このオリーブオイルを垂らしたぬか漬けの上から粗挽きの黒胡椒をぱらり。
ここに市販のチーズを添えて、ぬか漬けの上にチーズをのっけて(もちろん逆でも)食べる 。(p.118)
サラダに入れるときにはごま油かオリーブオイルとポン酢をかけてざっくり混ぜるといいそうです。
ゆで肉やゆで卵を入れればボリュームサラダ。
ツナ缶とかでもよさそう。サバ缶なんか、きっと相性よさそうですね。
なんと、ぬか漬けを炒め物にもできるらしい。
厚揚げとぬか漬けの炒めもの。ひき肉や細切れ肉でも。
火を通してもかまわないなら、私がよくやるところでは、手羽中の蒸し焼きに、ぬか漬けを一緒に入れたらどうかしら。
細かく刻んで、スクランブルエッグに入れるのも美味しそう。
そうめんの具にするのもおすすめだそうです。
なお、人参は、キャロットラペになるみたいです。
「ぬか漬けのにんじんを千切りにして、オリーブオイルをかければ出来上がり」(p.131)なのだそうです、これも試してみよう。
夫はぬか漬けはそれほど食べないのですが、稲垣さんは一人暮らしで自分の毎日のご飯のために漬けているのだし、私だって、私だけのために漬けてもいいかなあと思い始めました。
カラフルなぬか床のある食卓はエラくゴージャスです。
ぬか床があるというただそれだけで、毎日同じものを食べるという単調さとは無縁の世界が展開される。(p.180)
ぬか漬けを食べない夫や子どもたちは、せめて目で楽しんでいただこうと思います。笑
やってみたいこと(4)酢に頼る
迷ったときは「酢」!
そう、「お酢はすべてを救う」(by稲垣)のです。
つまりですね、炒め物でも煮物でも、塩味は十分つけたはずなのに、なんだか味が決まらないなあと思ったら、さらに塩味を足す前に、恐る恐る酢を入れてみる。
するとですね、ぼんやりだった味が、突然、「キリッ」「シャキッ」とするのです。
酸っぱさを感じない程度の量でいい。
それだけで、なんだか背筋が伸びた味になる。(p.200)
酢ってどうしても「すっぱい」というイメージと結びついてしまうために、使う場面が限定されてしまいがち。
でも火にかけると、お酢って酸味が飛ぶんですよね。
「お酢はすべてを救う」、覚えておこうと思います。
私は、迷ったときはマヨに頼ってる気もします。
サラダとか、卵焼きとかに入れてます。
煮物や炒め物には、マヨは使いにくいので、酢に頼ってみます!
そして…自由になりたい
こんな風に楽しげに、超節約ご飯を作り続けてる稲垣さん。
この言葉に、胸倉をつかまれるようでした。
自分の食べるものを自分で作る。それは、自由への扉だ。
あなたはその自由を手放してはいけない。
(中略)
家事は取りに行け。
料理は取りに行け。
私は真剣にそう思っている。
ご飯を炊く。味噌汁を作る。それだけのことだ。
本当は家族みんなが「今日のご飯は自分が作る」と争わなければならない。
やってみればわかる。
料理なんて簡単だ。
でも、簡単だけどやればやるほどその奥深さが見えてくる。
食材のありがたさ、季節の恵みにも心が向く。
それをきちんと美味しく調理することの難しさもわかってくる。
それがわかると、誰かが料理を作ってくれるということのありがたさもわかる。
そうなれば人が助け合いながら生きていくことの素晴らしさも見えてくる。
そして、人を助けようという気持ちも自然に湧いてくる。
それを「自由」と言うんじゃなかろうか。(p.246-251)
これは、ちょっと…家事や料理を見る目が変わります。
「誰か代わって、お願い…」と言えるなら言いたい、と思ってたくらいです。
「私の自由を奪わないでください」(p.250)という目線でなんか思ったことなかった。
私の自由、私にやらせろ!なんて思ったことなかったけど、そういう目で、自分の食べるものとの向き合いをやってみたくなりました。
それくらい、稲垣さんの作るものって美味しそうだし、作りながら楽しそう。
本書の文章も実に明るいし、「うまい」「美味しい」「うみゃい」「止まりません」が何度出てくることか。
稲垣さんの作るものって美味しそうだなあ、と思っていたら、こんな本も出たみたいです!
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これは必見ですなあ…。
稲垣さんの知恵をいただいて、なんかちょっと私の心のぬか床も、ぽかぽか動き出してきたみたいです。
今日もいい一日になりますように!