おはようございます。
梅つま子です。
えらいてんちょう(すごい名前だ)さんの、話題の本を読んでみました。
これまたすごい名前、『しょぼい起業で生きていく』。
”しょぼい企業”じゃないですよ~!
えらいてんちょう イースト・プレス 2018年12月15日 売り上げランキング :
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タイトルの「しょぼい」が気になりすぎて、購入してみた本です!!
えらいてんちょう(以下、えらてん)さんは最近、18歳未満の飲食費無料の子ども食堂を始めた方でもあります。
「起業」と私
実は私、3年前、勤務先を退職する段階で、「起業」について考えたことがあります。
退職するにあたり、「辞めたあとは何をするの?」と、聞かれること聞かれること。
こちらも、仕事を何もしないのは、なんだか落ち着かない。
自治体でも「女性の起業セミナー」なんてのをやっていたりする。
だから、なんとなく「起業できたらいいな~」なんて、浅はかにも考えたのです。お恥ずかしい。
お恥ずかしいついでに、その道の素敵な先輩方もたくさん憧れてきました。
雑貨店halの後藤由紀子さん。
ourhomeのEMIさん。
マザーハウスの山口絵理子さん。
たくさん出ます、お名前だけなら!
でも、「じゃあ、何を起業?」と自問自答する段になると(つまり、めちゃめちゃ入り口で)、いつも立ち止まる。
起こすべき「業」など、何もなーい。
という気になるのですね。
起業って、「何か、したいこと」があって、それをなすためには起業しなきゃいけないから起業するんでしょう…?
肝心の「何か、したいこと」がないのに、「起業」なんて考えられるはずもない。
でも、なんとなくいつも気になっているワード。
それが、私にとっての「起業」、なのでした。
話は逸れますが、起業した人で、一番身近なのは、我が祖母です。
はい、高校受験、第一志望に受かりそうにないから、志望校を変えたら?と言ったリアリストのおばあちゃんです。
大正生まれの祖母は、若かりし頃に勤めに出たみたいですが(詳細不明)、仲間と一緒に和裁教室を開いたみたいなんですよね(詳細不明)。
父から「おばあちゃん、昔は先生と呼ばれていたんだよ」と聞いたときには「へえ~!」と思ったものでしたっけ。
戦後は、祖父と「商売でもするかね」ということで店を始めたみたいだし、祖母にとっては「起業」は、すごく身近だったんだろうな。
生まれつき足が悪かった人だけど、フットワーク軽いな。
本の内容
さて、この、『しょぼい起業で生きていく』。
起業のハウツーというよりは、えらてんさんからの、「生き方のメッセージ」を強く感じました。
だって、第一章のタイトルからして「もう、嫌な仕事をするのはやめよう」ですもん。
(太字強調は梅つま子によるものです)
私のいちばん言いたいことは、もう最初に書いてしまいますが、「あなたはつらいことをやる必要はない」ということだからです。
(『しょぼい起業で生きていく』p.20)
「サラリーマンが嫌になったら、辞めてしまえばいい」(p.25)と、えらてんさんははっきり言います。
嫌なことから逃げないと、人は簡単に死にます。
日本のあちこちで、嫌なことから逃げなかったばっかりに、痛ましい事件がたくさん起きています。
過労死する人、心を病んで自死を選んだ人。
これらは「逃げられなかった」ことから起こる悲劇です。
「嫌なことから逃げられた人」は簡単には死にません。
「物事は、そのハードルを越えられずにいなくなってしまった人からは語られず」、生き残った人からのみ語られるという意味の「生存バイアス」という言葉がありますが、「現にあなたは、いま生きている」わけですから、あなたも生存バイアスは突破しているわけです。
喜びましょう。
命があれば、どうにでもなります。
(『しょぼい起業で生きていく』p.32-33)
「簡単に死にます」だなんて大げさな~!なんて、もう誰にも笑えないですよね。
嫌なことからは逃げてもいいと知ること、そして、どこに、どうやって逃げればいいかを知ることが、大人にも子どもにも大切な情報なんだなと思うようになりました。
こうしたメッセージは、「まわりに理解されなくても、自分で実感の持てることや、自分のしたいことだけをやっていこう」という、phaさんの本からも受け取っていたメッセージと重なります。
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実際に、本書の中にも、phaさんとえらてんさんの対談が所収されています。
起業のヒント
何を提供すれば起業になるのかな~、と思っていた私にとって、目からうろこだったのが以下の記述です。
夢をかなえるために綿密な事業計画を作って、銀行で頭を下げて資金を調達しますか?
できれば交通の便のいいところにオフィスを借りて、内装工事をして、什器をそろえて、電話を引いて。
仕入先や取引先に交渉もしなきゃ。
あとバイトも雇って。
はい、これら全部いりません。
ひとつもいりません。
(『しょぼい起業で生きていく』p.36)
「起業」の字の向こう側に、
よっぽど資金を準備して、周到な計画立てなきゃダメだよね~…
と、勝手なイメージをモリモリ盛り込んで読んでいた私。
だいぶ「起業」のイメージが変わりました。
「しょぼい起業」の具体的な方法
じゃあ、しょぼい起業って何をどうすることなの?と思って続きを読みました。
そのエッセンスは、以下の4つの引用箇所にありました。
1.いつもやっている行為をお金に換える
「いつもやっている行為をお金に換える」という発想は「しょぼい起業」の基本的な考え方のひとつです。これを「生活の資本化(コストの資本化)」と呼びます。
(『しょぼい起業で生きていく』p.39)
2.自給自足
自分の生活をすべて自分の労働で満たして、余ったぶんは売って資本化するというのは、早い話が自給自足生活ですから、弥生時代あたりからおこなわれている行為なのですが、意外と現代で実行している人は多くありません。そして、これは現在でも十分通用する方法論なのです。
(『しょぼい起業で生きていく』p.43-44)
3.家賃以外を出費しない
この方法をとると、原理的に、家賃で破産する以外、事業がつぶれることがありません。(中略)
どんな不況が来てもこれは強いです。
現物商売ですから、金融恐慌なんかいつでもどうぞということになります。
(『しょぼい起業で生きていく』p.44)
4.日常やっていることを事業化する
生活の中で自分のやれること・日常やっていることを事業化する、というのは鉄則です。(『しょぼい起業で生きていく』p.45)
以上の4つを読んで、「生活(≒生き方)そのものを、起業にしてしまえばいいのね」と私はざっくり理解しました。
起業してまでやりたいことがなかった私
生活そのものを起業に。
そうはいっても、じゃあ今の、自分の生活って何なんだ?
専業主婦なので、家事して子育てして…。
それだけといえば、それだけ。
本当は、前にしていた仕事を、個人でもできたらいいな、と思っていたのです。
前職で身につけたスキルを生かせるような仕事を、個人で立ち上げられないかな?と思ったのでした。
でも、家事や子育てでそこまで手が回らなかったというのもあるけど、結局は情熱不足だったんです。
「身につけた専門性をどこかで発揮できたらいいな」と願いつつも、「たらいいな」どまり。
誰もレールを敷いてはくれません。
自分ひとりでその道を開拓する気概もガッツも勢いも、何一つなくて、「前職がらみで起業」には至りませんでした。
はっきり言ってしまえば、「前職でやってたことは、起業してまでやりたいことじゃないんだな」ということです。
これに気づいたとき、なんだか私は、自分にがっかりしました。
つまり、自分でゼロから作るほどのパワーは出ない。
雇用してもらう形でしかやれない。
その程度のことだったんです。
例によってこの人と、話し込む(LINEで)
退職とか仕事がらみのことを頭で考え始めると、いつも、この人と話したくなるんです。
そう、がっちゃんと。
「産後しばらくワーママだったけど、退職して専業主婦になり今に至る」というストーリーが一緒で、この問題についておんなじ温度で語れる貴重な人。
▼こんな対談もしちゃいました。
起業してまでやりたいことでもなかったのに、前の職に執着とプライド持ちすぎてた気がするの。
甲斐性がないけど応援したい気持ちで言えば、株主もそんな感じだねw
株主もいろいろだから一概に言えないけど、かるーい株主くらいの気持ちでさ、乗っからせてもらうくらいの気持ちで働いてたかも!
こんな感じで話を始めまして。
そしたらがっちゃん、『しょぼい起業で生きていく』一緒に読んでくれたんですよ…!
ゼロ歳児抱えた3児の母に気軽に本を薦める私も私なんだけど、ホントに読んでくれるがっちゃんも相当だ。
ときどき、がっちゃんて私の頭の中で作り上げた妄想じゃないかなって思うことある。
しかも。
今日のがっちゃんのブログは、がっちゃん目線の『しょぼい起業で生きていく』レビューなので、ぜひがっちゃんブログもチェックしてくださいね!
(本記事の最後にがっちゃんのブログのURL貼っておきますので、この記事のあとに、ぜひ読んでくださいませ!)
がっちゃんとのLINEは続きます。本音トークがとまらない。
リスクをとらずに美味しい思いをいただきたかっただけかもなー。
起業したら、ずっとそのこと考えてないといけないもんね
経営しなきゃいけないもんね!
そーそー。そこには、嫌なプロセスとか苦手なこともあるよね
あるよね。
自分でできないこともたくさんあるから、そういうのを委託したり外部にお願いしないといけないもんね。
そう考えるとさ!子育てって、起業っぽいところもない?!
もちろん、子どもを資本に一発当てる!みたいな話ではなくてさ
わかるよ!言ってることすごくわかるよ
いかにアウトソーシングしていくかが現代ママの課題!w
例えば離乳食やイヤイヤ期、義母との折り合いとか、やったことないことや苦手なことにも立ち向かっていかなきゃいけないもんね
年末年始が株主総会かも!(笑)
子育てを、「起業に似たもの」と考えると、いろいろ見えてくる。起業のハードル低く見える
…というわけで、こんなふうにがっちゃんと話していたら、
「子育て=起業に似たもの」と思えるようになりました。
子育ても、起業みたいなもの?
自分(と夫)が、責任を負っているものといえば、我が家の2人の子の、子育て。
2人の子どもたちが成長し、進路を自ら選び、親元を巣立っていくその日まで、基本的に365日、一緒にいます。
いろいろな要因(わかりやすいのは経済的限界)があるから、子どもたちに提供できるものには限りはあると感じつつも、わが子は、自分の力を最大限に傾注して、育てていきたい対象です。
がっちゃんとの対話で気づいたように、
■ 家庭の中でできることはするけど、ところどころ、外部の手が必要なところが、子育ては起業と似てる
■ そのプロセスで、苦手な相手ともやっていく必要があるところも、子育てと起業は似てる
■ 子育てという事業がめちゃめちゃ儲からなくても、家族で暮らせていければよくて、トータルで「赤字」にしなければいいのかな、と思えるところも、なんだか「しょぼい起業」っぽい
あ、念のため言いますが、最後の「トータルで『赤字』にしなければ」というのは、あくまでも比喩です。
子どもに大物になってもらって、老後をヨロシク~!という考えは、我が家の子育てとは馴染まなそうだなあ、と思ってます…^^;
本書のキーワード「生活の資本化」
しかし、子育て中の私の生活というのは、2児と一緒なわけで。
えらてんさんが言うように、そうそう簡単に店舗を作って「店に住む」なんてことは考えにくい。
この本のキーワードとされている、 「生活の資本化」。
これを理解するのには、LINEでのがっちゃんの一言がヒントになりました。
いわく、
つまちゃんのおかず会なんて、まさにそれだよ!
と。
おかず会っていうのは、私が、幼稚園のママ友と2人で行っている、独自の会のことです。
子どもが幼稚園に行ってる間に、うちで一緒に遊ぼう!
そして、その間に、2家庭分のおかず作っちゃおう!
というアイディアで、材料費を折半して、お互い下の子を見ながら(かわしながら?!)、2週間に1度くらいの頻度で、我が家で開催しています。
あっ、このあいだ、無事に味噌を仕込めました…!後日ご報告しますね!
▼詳しくはこちら▼
好きなこと×やらなきゃいけないことの組み合わせが意外と長続きしそう。
なるほど、なるほど。
えらてんさんの言葉でいうと、
生活の中で自分のやれること・日常やっていることを事業化する、というのは鉄則です。
(『しょぼい起業で生きていく』p.45)
ということか。
そこで、子育て中の主婦ができる起業のイメージを考えてみるために、「こんなのあったらいいな」を、がっちゃんとブレインストーミングしてみました。
必ずしも、自分が提供できる・ママ友に当てがある、というのではなく、また、即お金になる!ということでもない、アイディアだけだけど…^^;
私が思いついたのは、以下のアイディアです。
- ママ友と、お互いの家のお片付け・収納を考える
(整理収納アドバイザーto beだしね^^;これなら私もできるかも?) - メルカリのやり方を教える!
(意外と、購入はするけど出品はしたことない、という人が多いと気づきました) - お互いの子どもに絵本読む
(わが子と読むと、脱線しがちー!) - 簡単なプリントを、お友だちの子どもと我が子といっしょにやる
(上に同じく。汗) - ママ友のふるさとの名産を紹介&売ってもらう
(地方出身のママさんは、隠れた名品、知ってそう!) - ママ友とウクレレサークル作りたい
(素人集団になりそうだけど^^;) - 月経カップのワークショップ
(いつかやりたいんです!使ってみたいけどどうしよう…という人の背中を押したい!) - もとパティシエのママさんに、おやつ作りかた教えてもらいたい
(同じ幼稚園にいるみたい!) - 写真整理術
(切実に知りたいっ) - 子どもの撮り方、ごはんの撮り方
(うまくなりたいっ) - ネットで買えるおすすめのもの・ネットショッピング指南
(あ、この講師は僭越ながら、ショッピングおばかの私がやります!笑)
がっちゃんも同様にブレインストーミングしてくれました^^
がっちゃんがどんなアイディアを出したのかは、がっちゃんのブログを読んでみてくださいね!
現金収入にこだわらなければ、いろいろある
子育て中の主婦ができること。
やりやすいのは「アイディアの物々交換」、みたいな感じのことでしょうか。
「生活をちょっと楽しくする&豊かにするもの、こと」のやりとり。
考えただけでわくわくします。
だって、娘の幼稚園ひとつとってみたって、いろんなことができるママさんがたくさんいるんです。
料理が上手なママ、裁縫が上手なママ、パティシエだったママ。
栄養士、保育士、資格持ちのママさんだって大勢います。
幼稚園ママって、人材の宝庫。豊かです。
でも、「ママ友と」というところで考えると、正直なところ、
「お金を取れるか?」
「投資してもらえるか?」
「継続できるか?」
「規模は?」
という観点で考えていくと、ちょっと微妙、かな…。
持ち回りにして参加無料。
不定期開催。
そんなふうにすると参加はしやすそう。
でも、それって「起業」なのか?
「起業」しないとできないことなのか?
あらら、振り出しに戻る…。^^;
逆にいうと、「現金での収入を考えた起業」にこだわらなければ、いろいろできそうなんです。
現金収入を、どう考えたらいいのかな。
やっぱり現金じゃなきゃだめか?
お金が入ってくればもちろんありがたい。
だけど余計なトラブルを増やす?
それとも、お金を発生させたほうがむしろ、人間関係にとらわれずビジネスとしてできるのかな?
現金での収入にこだわりたいのは、やはり「お金」がひとつの揺るがない尺度だからかな。
何かと不安な世の中だから、現金があれば、安心材料になるのは確か。
私も「退職はしたけど、起業して、現金収入○円は確保してる!」と言えたなら、どんなにか…と思います。
だけども。
いつまでも現金収入にこだわっていると、縮こまってしまって、好きなことができなさそう。
現金収入以外のことで生活の質を上げていくほうが、今の私にはあっているのかもしれない。
結論としては、「起業ではないかも…」になるのですが、今やっている「おかず会」みたいな感じで、「主婦プラスアルファ」な生活ができればいいなあ…!と強く願っています。
お店へのあこがれはあります…!
自営業の家庭で育ったからか、私もいつかは「○○やさん」として存在してみたい気もします。
オープンスペースとか、誰でも歓迎のオルタナティブスペース的な空間があります。
あれってすごく入りにくいと思いませんか。
教会とかもそうですが、「どなたでもお気軽にお入りください」なんて書いてありますけどね。
入れねえわ!っていうね。
店は違います。
「ものを売っている」という目的が明確なので、人が入ってきやすいのです。
よっぽど誰も興味のないものを売っているとかでないかぎり、誰かしら来ます。
開いてなければ「なんで開いてないの?」くらいのテンションで来ます。
(『しょぼい起業で生きていく』p.53)
そうなんですよね。
「店」の看板を掲げていたら、買う買わないにかかわらず、人って入ってくる。
そしてやりとりがうまれる。
一日に、いろんな人と自然に会話できる。それって健康なことだと思うんですよね。
まあ、もしかして、いつかは…?
くらいの気持ちで、お店への憧れはひとまず保留。温存しておこうかな。と思います。
終わりに
本書読了後、「さて、今すぐ起業しよう!」にはならなかったけど、子育てって起業っぽいし、今していることにも、起業のタネみたいなものはあるのかも?と気づかせてくれた、面白い本でした。
何よりも、「肩の力を抜いて、好きなことをして生きていいんだよ!」というメッセージが嬉しかった。
主婦だけど、好きなことをして生きていく気満々です!
えらいてんちょう イースト・プレス 2018年12月15日 売り上げランキング :
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さて、本記事の次は、がっちゃんがどんなことを書いたのか、【がっちゃん×しょぼい起業】をぜひ味わってみてください^^
記事はこちらです。
今日もいい一日になりますように!